狙うはITグロース株 成長率の高いIT株を解説するブログ

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成長率が減速するGAFAの活路はテレビにあり

みなさん、こんにちは。

 

GAFAの2019年1月〜3月の決算が出そろいましたが、4社とも売上高や営業利益の鈍化が目立つようになってきました。

 

個人的に今回の成長率の鈍化はGAFAの競争力が落ちてきているからではなく、彼らがすでに大きくなりすぎて、昔ほどの高い成長がもはや望めなくなってきているからだと思います。(中国が世界第二位の経済大国になってから経済成長率の低下が続いているのと同じ構造です)

 

また、特に先進国ではインターネット関連の市場が飽和してしまい、開拓できる新規顧客があまり残っていない点も成長率鈍化の要因に挙げれられると思います。

 

ここ5年間、GAFAを中心としたITメジャーの株価は毎年20〜30%づつ上昇を続けていましたが、これからは、さすがにそのような高い上昇は期待できないでしょう。個人的には、今後の株価の伸び率は年平均で15%前後になると考えています。

 

ただし、私は今後、例外的に大きく拡大するインターネット関連の市場があると考えてます。それはテレビです。

 

 

2017年、アメリカ人がメディアに費やす時間のランキングは以下の通りです。

1位:テレビ(約35%)

2位:スマホタブレット(約30%)

3位:デスクトップ(約20%)

4位:ラジオ(約15%)

5位:雑誌(約5%)

出典:Internet Trends Report 2018(https://www.kleinerperkins.com/perspectives/internet-trends-report-2018/

 

インターネットが広く普及している2017年時点でもアメリカではスマホやPCに比べてテレビに費やす時間が長い状況にあります。おそらく高齢化が進んでいる日本ではテレビに費やす時間はより長いと思われます。

 

これまでアップルなどもインターネット接続型のテレビを販売してきましたが、現時点でテレビでインターネットを利用する機会はそれほど増えてません。おそらくテレビの大画面で見るとインターネットの動画の画質の悪さが目立ってしまうことと、動画視聴にあたってダウンロードに時間がかかったり、途中でフリーズすることが原因ではないかと思われます。

 

ただし、このような低画質・高遅延の問題は2020年から本格的に普及が始まる5Gの通信環境下で完全に解決されると言われています。

 

おそらく、5Gの普及に伴い、インターネット接続型のテレビも一般家庭に広く受け入れられることになり、2020年代にはテレビでもスマホやPCと同じようにインターネットに接続することがごくごく当たり前になっているでしょう。

 

中国の通信機器メーカーのファーウェイは年内に5G対応のテレビを販売することを発表しています。これからファーウェイのみならず他のメーカーもインターネット対応テレビを次々と販売するでしょう。

 

それでは、テレビがインターネットに接続されたら人々はどんなコンテンツを楽しむでしょうか。

 

私はやはり動画視聴とゲームを楽しむ人が多いと考えています。

 

動画に関しては、見たい番組名を言えば、テレビのスピーカー(もしくはアマゾン・エコーやグーグル・ホーム)が正確に検知して画面に表示してくれるでしょう。もはやリモコンはほとんど使う機会がなくなるかもしれません。

 

また、ゲームに関しては赤外線通信が可能なコントローラーさえ使えばテレビの大画面でストリーミング・ゲームが楽しめるようになるでしょう。もはや高価なプレーステーションやXboxなどのゲーム機を買う必要はなくなるでしょう。

 

それではテレビ向けの動画配信やゲーム配信で高いシェアを取れるのはどの企業になるでしょうか。

 

私の予想ですが動画配信についてはアマゾン、グーグルあたりが有望だと考えてます。もちろん、すでにテレビでの視聴が一般化しているネットフリックスは今後も大きな存在感を維持すると思いますが、強力なライバルが参入して競争が激化する中、更に大きく成長するのは難しいと思います。

 

一方、アップルも動画配信を開始する予定ですが、おそらくアップルが販売する専用テレビ向けがメインになると思います。私はTV分野においては、もはやアップルは高いシェアは取れず、そのため必然的に動画配信のシェアも伸び悩むと予想しています。

 

ゲーム配信についてはグーグル、マイクロソフトあたりが有望だと考えてます。マイクロソフトソニーがプレーステーション4を販売してからゲーム機の販売シェアを落としており、そのため数年前からオンライン型ゲームへのシフトを着実に進めています。そのためストレーミング・ゲームが主流になってもうまくその流れに乗れる可能性が高いでしょう。逆にソニーはプレーステーションの売れ行きが非常に好調であるため、もしかしたらその成功体験が災いしてストリーミング・ゲームの波に乗れないかもしれません・・・

 

結論として、GAFAの中ではグーグルとアマゾンが5Gの普及に伴い2020年代前半にはテレビ向けビジネスで大きな利益をあげられるようになると思われます。2019年1月〜3月期の業績発表の内容がイマイチであったため、今週に入ってからグーグルの株価が大きく下がってますが、私がグーグル株を売らずにホールドを決めている理由の一つはここにあります。