狙うはITグロース株 成長率の高いIT株を解説するブログ

IT企業で長年働くリーマンがIT企業のビジネスやトレンド等について発信します。

グーグルの長期ビジョン(狙いはモビリティ・プラットフォーム)

みなさん、こんにちは。

 

今日はグーグルの長期ビジョンについて述べていきたいと思います。

 

グーグルは検索、動画、ゲーム、メール、スマホOS、クラウドサーバーと様々な分野に進出しているため、この企業が一体何を目指しているのか非常にわかりづらいです。

 

2002年、グーグルの創業者であるラリーペイジは「グーグルは検索の会社ではなく、AIの会社だ」と発言しており、この創業者の発言からグーグルが行なっているサービスは全てAIに関連していることは確かです。ただし、グーグルはやみくもにAI関連のビジネスを手当たり次第やっている訳ではなく長期ビジョンに基づきビジネスの優先順位を決めていると思われます。

 

その長期ビジョンについてですが、私は「モビリティ・プラットフォーム」こそがグーグルが目指しているものだと考えています。

 

グーグルはスマホ OS(アンドロイド)分野で圧倒的な世界シェアを有しています。そのことにより、グーグルはスマホを持つ我々の位置情報を完璧に把握しています。

 

現在、グーグルの子会社であるウェイモが自動運転システムの開発を積極的に進めています。更に同様に子会社であるグーグル・ウイングが配達用のドローン、ルーンがインターネット基地局としての成層圏を飛行する気球の開発をそれぞれ進めています。

 

おそらくグーグルはAIを駆使してこれらの自動車、ドローン、気球を自動運転させて、人々との効率的なマッチングを実現していこうと考えていると思われます。

 

具体的な例を挙げますと、人々がスマホで自動運転車を呼ぶと、自動運転車がその人のもとへ自動で配車されるシステムをグーグルは構築するつもりでしょう。

 

また、ドローンに関しては人々がいる位置に自動で荷物を運んだり、将来的には空飛ぶドローンを自動で飛行させて、自動運転車と同様に人々のもとへ配車させることを想定していると思います。

 

気球に関しては人々の位置情報に基づき成層圏から効率的にインターネット電波を地上に照射することを目指している可能性があります。

 

2025年以降、自動運転車が本格的に普及すると言われていますが、グーグルはスマホOSと自動運転車・ドローン・気球の自動運行のAIの分野で他社を圧倒することで、25年以降にモビリティのプラットフォームを掌握することを狙っているものと思われます。

 

このモビリティ・プラットフォームがもたらす利益は莫大なものになるでしょう。自動運転車のサービスに関しては既存のタクシー、バス会社の利益がそのままグーグルのものになるでしょう。配達ドローンに関しては物流会社の代わりにグーグルが利益を得ることができます。更にこの分野はEコマースの拡大に伴い、今よりも更に高い利益が期待できます(無人のドローンならば需要に合わせていくらでも機体数を増やせるので)。気球に関しても利益率の高い通信ビジネスの利益が期待できます。

 

ちなみに、ウバー、DiDi、グラブなどの配車アプリ会社も同様にモビリティ・プラットフォームを狙っていると思われます。あとソフトバンクもこれらの配車アプリ会社へ出資するとともに、国内でトヨタと自動運転関連のジョイントベンチャーを設立しており、この分野に強い関心を持っています。

 

配車アプリ会社も人々の位置情報をリアルタイムで把握している点ではグーグルと同じ優位性を持っていると言えます。一方、自動運転車の自動走行システムについてはグーグルが他社を圧倒していると言われており、更に、配車アプリ会社は資金的な制約もあり、グーグルのように空のモビリティの開発は行なっていない点を踏まえると(ウバーは例外的に空飛ぶタクシーの開発をしていますが)、将来、モビリティ・プラットフォームを抑えるプレーヤーとしてはグーグルが最も有望でしょう。

 

グーグルの株を大量に保有している私としては、2025年以降、グーグルがモビリティ・プラットフォームを握ることを強く期待しています。グーグルには引き続き頑張ってもらいたいです。