狙うはITグロース株 成長率の高いIT株を解説するブログ

IT企業で長年働くリーマンがIT企業のビジネスやトレンド等について発信します。

グーグル、アマゾン、フェイスブックなどが短期間で一気に巨大プラットフォーマーへと成長した理由

みなさん、こんにちは。

 

一般的に企業は成長するに従って不採算部門が増えていきます。そして、選択と集中でそのような不採算部門を切り、採算部門に資金や人材を集中することで業績を改善させることがセオリーだと言われています。

 

一方、IT分野では上記とは逆のことが起きています。アマゾン、グーグル、フェイスブックなどを見たらわかるように、これらのIT企業は90年代には小さなベンチャーもしくは誕生もしていなかったにも関わらず、今では世界トップの規模まで成長し、更にビジネスを巨大化させています。これはIT分野が他の分野とは大きく異なる大変ユニークな特徴を有していることが背景にあります。

 

背景1:IT分野では企業側がインフラ費用を負担していない

例えば、スーパーマーケットがビジネスを始める場合、土地を購入し、そこにお店を立てますが、それらの費用は全て会社が負担します。電力会社の場合であっても、発電所の建設や電柱の整備などは全て会社が投資する必要があります。

 

一方、IT分野の場合、顧客が商品やサービスを購入する際に必要となるスマートフォンやインターネット環境は全て顧客側が負担することになり、IT企業はそれにタダ乗りできます。その結果、IT企業はほとんど初期投資をかけずにビジネスを開始することができます。

 

この特徴のおかげで、アマゾン、グーグル、フェイスブックなどは、資金力が全くないベンチャーからスタートしたにも関わらず、10年程度の短期間の間に世界トップの巨大企業へと急成長を遂げることができました。

 

背景2:投資を拡大すればするほど限界費用が低下していく

一般的な小売業の場合、顧客数が倍増すれば、それに従って店舗の規模なども拡大させる必要があり、そのため売上高に比例して投資も増加していきます。

 

一方、IT分野の場合、顧客数が増加すればするほど1顧客あたりの費用は低下していくと言われています。例えばEコマースの場合、基本的に顧客が1人だろうが1000人だろうが商品を販売するサイトは1つで済みますので、顧客が増えれば増えるほど企業の利益が拡大していくことになります(厳密にはサーバーの費用が追加で多少増加しますがほとんど無視していい程度です)。

 

背景3:ユーザーとサプライヤーがお互いに呼び合い、ビジネスが自然拡大していく

IT分野では企業が自らサービスや商品を提供するのではなく、あくまで売り手と買い手のマッチンングを行うプラットフォームを運営するケースが非常に多いです(楽天フェイスブック、ウバー、AirB&Bなど)。

 

このようなプラットフォーム・ビジネスの場合、一旦、ユーザーが増えると、ユーザーへの販売目当てでサプライヤーも増え、更に多様なサービス目当てでユーザーが増えるという好循環に入り、結果、どんどんとプラットフォームが拡大していくことになります。

 

現在、日本において電子マネーアプリで大幅な割引競争が起こっていますが、これはとにかく最初に巨額の出費をしても、それで多くの顧客を獲得できれば、電子マネーの決済を利用する店舗も増えるという好循環に入り、一気に市場シェアの大半を取れることが背景にあります。

 

このようにIT分野では、企業はインフラ費用を負担せずにビジネスを開始することができ、更には一旦、利用者が増えるとビジネス(プラットフォーム)がどんどん拡大していき、それにより1利用者あたりのコストが低下していくことになります。そのため、最初に競争に勝った企業が市場の大半を抑えて高い利益を獲得することになります。

 

私が、グーグル、フェイスブック、アリババなどの巨大なITメジャーに集中的に投資するのも、上記のIT分野の特徴により、これらの企業は今後も高い市場シェアを維持して、高い利益を獲得すると考えているからです。

 

また、一旦、プラットフォームを握ってしまえば、その分野では独占的にビジネスでき、他社が参入できなくなる点も、投資する上での大きな魅力です。

 

つまり、これらのITメジャーはローリスク&ミディアムリターンの大変割りのいい投資先だと言えます。