狙うはITグロース株 成長率の高いIT株を解説するブログ

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今のIT株が決してバブルではない理由

こんにちは、みなさん。

 

今回は現在のITメジャー株の価格上昇が90年代後半に発生したインターネット・バブルとは状況が大きく異なることについて説明していきます。

 

マイクロソフトが1995年にウインドウズ95を発売したのを契機に、インターネットの普及が加速することになりました。その結果、アメリカのナスダック総合指数は1996年に約1000だったのが1998年には1500、1999年には2000、2000年3月には5000を超えました。

 

この当時、インターネット関連のベンチャーを立ち上げることがブームになっており、インターネット関連のビジネスをしていればベンチャーでも比較的簡単に投資を受けることができました。

 

しかしながら、2001年にはバブルが弾け、2002年にはナスダックは1000台まで下落しました。当時、シリコンバレーでは失業者が溢れて、みんなやることがないのでサイクリングしたりしていたそうです。その楽観的な感じがシリコンバレーっぽいですね。

 

私は、現在のITメジャーの株について、今後、そのようなバブル崩壊は起こらず、一貫して着実に上昇を続けると考えています。

 

第一の根拠としてPERがあげられます。PERとは株価を1株あたりの純利益で割ったものです。要は1株あたりの純利益の何倍の価格で株が売買されているのかを示しています。

 

インターネット・バブル時、多くのIT企業のPERは100を超えていました。更には利益を出しておらず赤字の企業であっても株価が高値をつけていることもざらにありました。一方、今はグーグルが27.98、アップルが16.41、アマゾンが91.51、フェイスブックが23.66、マイクロソフトが28.06です(2019年4月14日時点)。

 

アマゾンは非常に高いですが(だから私はアマゾンには投資してません)、それ以外のITメジャーは割高の株価にはなっていません。ITメジャー株のPERがそこまで上がっていないにも関わらず、株価が大きく伸びているのは利益も相応に増えている結果です。つまり今回の株価上昇は利益拡大というきちんとしたファンダメンタルがあってのものです。

 

第二の根拠として、今回、株価が上昇しているIT企業が一部に限られている点が挙げられます。インターネット・バブル時、あらゆるインターネット関連企業の株価が上昇していました。一方、現在は強固な稼げる仕組みを構築して毎年着実に利益をあげている企業の株価のみが上昇を続けています。

 

例えば、グーグルやフェイスブックに比べて高い広告収入を得られていないツイッターはこれだけ広く普及しているのにも関わらず株価は低迷してます。また、これまで日本のインターネット・サービスを牽引してきたヤフー(日本)も近年業績が冴えないため株価もイマイチです。これらは投資家が長期的に見て堅実に稼げる企業をきちんと選別していることを端的に表しています。

 

長い歴史を振り返ると、鉄道にしろ、自動車にしろ、黎明期には高い期待から多くの企業に多額の投資が流入してバブルが形成されています。その後、バブルが弾けてほとんどの企業は淘汰され、生き残った少数の企業のみが巨大市場を抑えて発展の果実を手に入れています。

 

現在のITメジャーの株価上昇は、過去のインターネット・バブルの崩壊や競合他社との激しい競争を経て生き残った少数のITメジャーが巨大市場を抑えて、これから本格的に発展していくフェーズに入ったことを示していると思われます。

 

後ほど別の日記で書きたいと思いますが、今年から普及が始まる5GもこれらITメジャーの更なる発展を大きく後押しすることになるでしょう。