今、ネットフリックスの株は投資すべきではありません
みなさん、こんにちは。
4月16日、ネットフリックスが2019年1~3月期決算を発表しました。
売り上げが前年同期で約22%の増加、純利益が約19%の増加でした。まずまずの業績ですが、アナリストの予想を下回ったこともあり、株価は4%下落したとのことです。
私はネットフリックスは非常に優良な企業だとは思いますが、今は投資すべきではないと考えています。
ご存知の通り、ネットフリックスはインターネット動画配信会社です。
1997年に創業し、当初はオンラインでのDVDレンタルサービスを実施しましたが、2007年にストリーミング配信に転換して、今では世界で最も注目されている動画配信会社へと成長しました。私も昔、アメリカに住んでいた時には英語の勉強も兼ねて、よくネットフリックスでハリウッド映画を見ていました。
ネットフリックスの成功の要因としては、インターネットの通信容量が大幅に増加し、ネットでの動画視聴が可能となった絶妙のタイミングでDVDレンタルからストリーミング配信へと迅速に方針転換できたことが挙げられます。
これから5Gの到来により、より高画質の動画がフリーズすることなく快適に見れるようになります。人々はより一層インターネットを通じて動画を見ることになるでしょう。
ただ、その結果、アップル、ディズニー、AT&Tなど様々なプレーヤーが動画配信への参入を予定しており、これから間違いなくネットフリックスはこれらライバルとの激しい競争にさらされることとなるでしょう。
私はYoutubeは一般人が作成した短時間の動画が多く、他のライバルと上手く差別化が図れると思います。ディズニーについてもディズニーアニメなどの強力なコンンテンツがあるため差別化が可能でしょう。日本のサイバーエージェントのAmeba TVも日本のコンテンツがメインなので同様に他社とそこまで競合しないと考えてます。
一方、ネットフリックスは他のライバルとコンテンツ内容が重なっており明確な差別化を図ることは難しいでしょう。自社で動画を制作することで差別化を図るアプローチが考えられますが、おそらくアマゾンやアップルなども同様のアプローチをとると思われます。圧倒的な資金力を持つアマゾンやアップルに対抗するにはさすがのネットフリックスでも難しいと思います。
ネットフリックスは視聴者の視聴データに基づき、視聴者が好きそうな動画を紹介するレコメンド機能に大変定評があります。確かに普通の会社ならばとても真似ができないでしょう。ただし、アマゾンについてはEコマースにおいてレコメンド機能を徹底的に磨きをかけており、それを動画配信でも更に積極的に応用してきたら、ネットフリックスとしてはレコメンド機能で競争力を維持することは難しくなると思われます。
更に5Gになると動画以外にもストリーミング・ゲームに参入する企業が現れてきます。ネットフリックスとしては他社の動画サービスのみならず、ゲームサービスとも激しく競争することになるでしょう。
株価については、2019年1月以降、なかなか上昇せず停滞しています。おそらく、多くの投資家が動画ビジネスの競争激化を懸念してネットフリックスの株を買い控えているのだと思われます。
出典:Google
インターネットの環境は数年で大きく変化するため、昨日、大いに栄えていた企業が一気に衰退することが頻繁に起こります。私がITセクターに集中投資をしているものの、極力、個別株は買わず、ETFを買うようにしているのは正にそのようなリスクを上手くヘッジするためです。
ITグロース株への投資で高いリターンを維持するにはビジネス環境の変化に細心の注意を払い続けることが肝要だと思います。