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米国のGAFAや中国のアリババ、テンセントに次ぐ最後のプラットフォーマー候補について

みなさん、こんにちは。

 

今後、ITセクターにおいてGAFAレベルまで成長できるベンチャーは現れないことについて先日、以下の記事に書きました。 

www.itlover330.com

 

現在、GAFAは既存ビジネスの成長が鈍化し、更には各国当局による規制強化の影響を受けてはいますが、トレンドとしては、これから様々な産業に進出して着実に巨大化していき、ますます敵なしの状態になっていくでしょう。

 

ただし、例外的に米国のGAFAや中国のアリババ、テンセントに次ぐ規模まで成長しうるプラットフォーマーも限られてはいますが存在します。今日はそのプラットフォーマー候補について解説していきます。

 

GAFAに次ぐ規模まで発展するプラットフォーマーは以下の条件を満たす必要がります。

 

①人口の多い新興国でビジネスをしている

②現地の社会に深く根ざしたビジネスをしている

 

まず、①についてですが、当然ながらプラットフォーマーはユーザーの人数が多ければ多いほど大きくなります。そのため、米国のGAFAや中国のアリババ、テンセントに次ぐレベルまで大きくなるにはその地域の人口が大体5億人以上いる必要があると思います。世界でこの条件を満たすのはインドと東南アジアです(アフリカも人口が12億人程度いますが、そもそもインターネットが普及していない地域が多いため例外です)

 

次に、②についてですが、組織規模や技術面でGAFAやアリババ、テンセントに圧倒的に劣る新興企業がそれらのガリバーに打ち勝つには、現地に密着したビジネスを極めるしかありません。具体的には現地の小売事情に精通する必要のあるEコマース、現地の運転手を大量に確保する必要のある配車サービス、現地の金融当局と円滑な関係を築く必要のあるスマホ決済サービスなどが該当します。

 

上記の①、②を満たすGAFA、アリババ、テンセントに次ぐプラットフォーマー候補としては、東南アジアで配車ビジネスを展開するゴシェックとグラブ、東南アジア(メインはインドネシア)でEコマースを展開するトコペディア、インドでスマホ決済ビジネスを展開するPaytmなどが挙げられます。

 

東南アジアやインドはスーパーやデパートが少なく且つ品揃えも悪く、公共交通機関が未発達で且つマイカーを持てるほど所得水準が高くなく、偽札や盗難が多く且つ(インドでは)高額紙幣がありません。まさに、これらの問題の解決策として上記のようなインターネットビジネスが急速に発展しています。

 

恐らく上記のゴシェック、グラブ、トコペディア、Paytmなどの新興企業はコアビジネスをベースに、今後、様々なビジネスに横展開をしていき、最終的にはその地域であらゆるインターネットビジネスを手がけるローカル・テック財閥として繁栄していくでしょう。まさに中国のアリババやテンセントが中国市場において様々なインターネットビジネスに進出して繁栄しているのと同じ構図です。

 

つまり、今後、ITセクターでは中国、東南アジア、インドにおいては、現地のプラットフォーマーがその地域のインターネットビジネス全体を牛耳ることになり、それ以外の地域(欧米、オセアニア、日本等)においては、米国のGAFAが各自のメインビジネスを中心にグローバルシェアの大半をおさえる二極化の構図になっていくと思います。

 

現在、ゴシェック、グラブ、トコペディア、Paytmは上場していません。更に、これらの企業はプラットフォームをおさえるために採算度外視でユーザーを増やしているため、業績は赤字が拡大する傾向にあります。

 

私としては、これらの企業が上場し、現地でのプラットフォーム争いも大分収まり、業績が赤字から黒字へ転じたタイミングで、これらの企業に対しては投資を本格的に検討したいと考えています。恐らく、ITセクターにおいては、これらの企業が投資を通じて大きなキャピタルゲインが期待できる最後の数少ない有望株になるでしょう。